1/3も伝わらない

改めましてこんにちは。慌ただしくて気づいたら3月!確定申告の季節!

うっかりワンダフルシンガポールライフを送ってて(笑)すっかり忘れてましたが、

一連のコロナ騒動で期日が4月まで伸びたという記事を見て慌てて申告&納税いたしました。

高額な住民税もしっかり東京都中央区に納めましたよ。住んでないのに!!不服くん!

 

さて、私の暮らすシンガポールは言わずと知れた多民族都市です。多民族って好きなんです。

多民族都市で生きている人間は、割り切り力が高くて楽チンで。

でも気づいたことが一つ。

ニューヨークも多民族都市。そこで一番違うなと思うのが、人のカテゴライズの仕方。

ニューヨークの人たちは、社会の中で、人種や民族つまり「エスニシティ」ごとに人を分けているイメージなのですが、シンガポールの人は、「ローカル」か「ローカル以外」かの二つで分けているようなイメージです。

(*もちろん外国人かシチズンか永住者かなどの制度的な区分けはどの国も似たようなものですが、今私が言っているのはコミュニケーションとか社会生活においてです。)

ニューヨークの人たちは、相手が外国人がどうかなんてあまり気にしません。

引っ越して間も無くニューヨーカーの友人に、

「ここに住んだ初日から君はもうニューヨーカーだよ。」と言われました。

ニューヨーカーかどうかの定義は実際にそこに住んでいるかどうかであり、あなたがアメリカ人かどうかとは全く別物という意識です。ただ、文化や宗教が違うので、相手がどの民族に属しているのか、というのは各々気にしながら喋るかもしれません。

一方シンガポールの人たちは、〜ここがあまりにも駐在大国だからなのか〜、

シンガポール人か否か(広義にマレーシア国籍などの永住権取得者も含む)という点が核になっている印象です。

つまりニューヨークにおいてはアジアンだろうがブラックだろうがヒスパニックであろうが=ニューヨーカーであるのに対して、

シンガポールでは大雑把にいうと、東南アジアや中国系=ローカルと見なされ、それ以外が「ローカル以外」。

ニューヨークでローカルですか?なんて質問は存在しなかったし、なんだかその質問自体が無意味だったのですが、こちらはシンガポーリアン同士でもこの会話をします。(見た目で判断がつかない場合もしばしばあるため)

でも、あなたが「ローカル以外」だからと言って変な差別を受けたりとか特別な目で見られるとかそういうことはありません。その辺りは生まれながらの多民族国家だけあってとてもオープンです。日本だと起こりうるアレね、異なるものを悪とする、同調主義バンザイ的なアレ?いつまで続くんでしょう。(小声)

 

この間フォーマルな場面で、シンガポール人ローカルと日本人駐在員の相手二人と私とで、打ち合わせをする場面がありました。駐在員は私に日本語で話し、ローカルは英語で話します。

途中で、日本人駐在員に英語で言われたのが、「あなた、日本人と話す時とシンガポール人と話す時とで、コミュニケーションの仕方が違っているね」と指摘されました。さらに「何か秘訣はあるの?」と。え、感覚的なものだから気づかなかったのだけど、確かにそうかもしれないとハッとしました。

それを言われてからしばらく家で考えてみたのですが、

出た結論は、「英語で話す時はワガママになる」でした(笑)。

英語で話す国は(日本より)ワガママが受け入られる社会、と脳が勝手に認識しているからだと思います。なんてこった。すごく面白い発見!

 

それで、より高度なテクニックを要するのが、私の最近のボーイフレンドとのコミュニケーション。

なんと彼は上手に日本語を話すので、お互いの母語を交互に使ってコミュニケーションを取っているのだけれど、日本語で喋っているときに、私はうっかり日本的なコミュニケーションを取ってしまうことがあって。

彼は日本語を流暢に喋ってはいるけれど、日本の文化は持っていません。

なのに、私は「察してくれるのが当然」と言った話し方、「相手の二手先、三手先を読むような」話し方で、彼にとっては非常に難解なレベルのコミュニケーションを欲してしまっているようなのでした。

ごめん!わかんない!言いたいことあるならはっきり言って!と困惑され続けて気づきました。

でも、日本語がそういう作りだから仕方ないじゃん。とも思いますが。

まだまだ”異文化コミュニケーション”の修行が足らんなーと実感した次第です。まさにOJTなう。欧米の英語圏のように主張ベースで話すのが、シンガポールでは正って訳でもないみたいだし、塩梅がなかなか難しいです。うーん。これからわかっていくつもり。

 

私はまだまだシンガポール初心者だから、実はこうして日々マイノリティとしてストラグルすることばかりです。でも一歩一歩この社会にも慣れて、いつか私も「ローカルですか?」なんてシンガポーリアンに聞かれる日が来るといいなと想像したりするのでした。(それは割とハードルが高いよ)

おしまい!

 

【追記】

最近このブログを読んでくれる友人知人に、考えが深いなどと褒めていただくことがあるのですが、実は私の大学時代の専攻は国際文化でして、特に比較文化や社会言語学などを研究していました。だから、ある意味当然というか(笑)むしろ学んでてこれかよ!って感じなのでお恥ずかしい限りです。もう10年以上昔の話なので許して!