リフォームしようよ 私心も夢も

引越しをしました。

この10年でなんと国内外合わせ10回以上引越ししていました。考えてみると小さい頃から、新聞折込の売り物件のチラシなんかで、「ここが私のお部屋ね」なんて庶民的すぎるおままごとをしたりだとか、大人になってからも、完全なる冷やかしで住宅展示場に遊びに行ったりなんかするくらいには割と家とかお部屋というものが好きでした。

ということで、今回は過去10年の私の住まいから紐解く自分史、お部屋史を掘り下げてみたいと思います!

 

まず、私が日本を飛び出しNYCに引越したのが2011年4月のこと。トランク一つだけで浪漫飛行へin the sky してから早10年が経とうとしています。若かりしあの頃。。見るもの全てが新鮮でした。JFKからタクシーでマンハッタンへ。ドキドキしながら#3Dのアパートメントのドアを開けたのを覚えています。人生初のルームメイトはテキスタイルデザイナーの日本人のお姉さんで、とても親切に出迎えてくれました。日本から写真とスカイプで様子は見せてもらってはいたけど、予想通りの、いや予想以上にコージーでシンプルな、でも随所にこだわりの見られる2ベッドルームの広くて素敵なそのお部屋を、私は一目で気に入りました。多分、私はいまだに、この時のお部屋のテイストに大きく影響を受けて(引きずって)いるんだと思います。そしてこれを機に私は、私のニューヨーク生活の4年間をずっと、この部屋で過ごすことになります。

ここはマンハッタンのハドソンハイツと呼ばれるエリアで、いわゆるアップタウンと呼ばれる59丁目以北のアッパーウェストサイドよりもさらにアップタウン。さらに125丁目以北のハーレムよりもさらにアップタウン。友達には”もうすぐブロンクス”(NYCの5boroughsのうちの1つ、マンハッタンの北に位置する治安の悪いことで有名なエリア)なんてバカにされながらもギリギリマンハッタンのこのエリアは、実はとても穴場スポットで。確かにちょっとエリアを外れるとドミニカン天国で、レゲエでヨーヨーな陽気な感じが漂います。お世辞にも閑静な住宅街とは言いがたい雰囲気なのですが、このエリアだけが特別で!もし、この先NYCに移住する人いたら、私は自信を持ってオススメしたいエリアです。すぐ西にはハドソン川が流れ、ニュージャージーに繋がるジョージワシントンブリッジが架かっています。ワイルドな自然が広がるフォートトライオンパークという広大な森林公園があり、公園の中にはフレンチトーストが超絶美味しい一軒家レストランがあったり、メトロポリタン美術館の分館のクロイスター美術館があったりします。ニューヨークで結婚式を挙げるなら私はこの森の中でするぞと決めていたくらい素晴らしい場所でした。こんなに自然いっぱいなのに、地下鉄まで徒歩30秒、スーパー2分、スタバ3分という超好立地でした。ミッドタウンまで出るのも大体25分くらい。エレベーターは無かったから、荷物多いときは大変だったけどね。まあでも小柄なアジア女子に対しては、そういうのは誰かが必ず助けてくれます(それも一つのサバイバルスキル)。当時の私、一年目はインターンとしての採用だったので、実はほとんど収入がありませんでした。確か、月$1,500とかでした。今思えば、その収入でマンハッタンに住もうだなんて、度胸がすごいというか、向こう見ず甚だしいです。わかりやすくいうと、月12〜3万のお給料で港区住んじゃう感じかな?どうやって家計をやり繰りしていたのかが全く自分でも覚えていないんだけど、お金の有無にかかわらず、私はその生活をとても楽しんでいたし、毎日ハッピーだった気がします。数年後、ルームメイトのお姉さんは日本に帰国することとなり、私がその部屋を引き継ぎ、リースホルダーとなってルームメイトを探す立場となりました。その頃には私は正社員になっていたものの、一人ではさすがに家賃を払っていけないので、ルームメイト探しはいつも必死でした。男性ルームメイトを受け入れたことも何度かあったし(驚くなかれNYCでは異性のルームメイトは結構普通です)、友達や、赤の他人と住みました。最も居心地がよかったのは最後の1年間かな。アメリカ人の女友達と快適な距離感で好きなように過ごせていたと思います。彼女とは今でもその当時のことをたまに懐かしんで思い出して、お互いがどこかに引っ越す度に手紙を送り合うような関係を続けています。

2回目の引越しは、日本への帰国が決まった最後の1ヶ月だけ、ハーレムに住みました。家賃の高いNYCでは、自分が家を空けるときはその穴を埋めるために、誰かに又貸しします。(法的には限りなく黒に近いグレーですが、これをサブレットと言います)大体コミュニティの掲示板なんかに情報が出ていて、私は、日本人ピアニストさんが日本に遠征に行くというので、そのお部屋を借りました。お部屋にグランドピアノがあって、好きに弾いていいよとのことだったので、せっかくなので昔習ったノクターンなんだかを弾いたりして遊んでました。たった1ヶ月だったけど、私の最後のニューヨーク生活だったからか、その部屋を思い出すといつも少しセンチメンタルな気分になってしまいます。

3回目の引越しは、ニューヨークから帰国した実家で、4回目が東京です。最初の東京生活は目黒でスタートしました。1DKの新築アパートでしたが、なぜでしょう?広さはそこそこなのにDKって使い勝手が微妙なんですよね。また、帰国直後で海外の広い作りのお部屋に慣れてしまっていたので、広さにも少し不満がありました。広いところに引っ越したいなぁと悶々と考えながらも、FrancFrancなんかに買出しに行って、ほぼ初となる一人女子暮らしを楽しんでいました。

そして5回目は、いよいよタワマンです、笑。39階の広いバルコニーから見る夜景は本当に格別でした。東京湾も東京タワーもレインボーブリッジも、全部一望できました。晴れた日には富士山も綺麗に見えました。しかも、広いお部屋に住みたいという夢が叶ったようで、堂々の100平米超。お金持ちの彼氏が全て払っていたんでしょう、となぜだか誤解されやすいんですが、そんなわけないです。私もちゃんと家賃も光熱費も食費だって払っていました。今思えば妙にビジネスライクだけど、収入比で割っていたので。

そんな割切りの良い彼とサヨナラしてから、6回目の引越しで住んだのが、皆様おなじみソーシャルアパートメントです。100世帯が共同で暮らすこのマンション。個人的にはもう少し少ない世帯数の方が自分には合っていたかなとも思うけど、なんだかんだここに住んだことで東京での居場所を見つけられたかなという気がしています。ふらっとラウンジに行ったら誰かおしゃべりできる相手がいるっていうのは、やっぱり価値があります。そもそも、家に友達が常駐してくれてるっていうのは便利だよね。

その後、もう一度一人暮らしに戻ります。シェアでワイワイは私みたいな性格だと一年くらいでお腹いっぱいになってしまうみたいです。7回目は銀座も職場も近くて結構気に入っていました。隅田川沿いのリバーサイドっていうのも良かったな。

そして8回目に実家を経由して、9回目がシンガポール

シンガポールで、なんと記録更新の55階です。松井の背番号ですよ。以前記事にも書いたけど、シンガポールは基本的に土地が無いので、ビルは上に伸びる伸びる。55階というと展望台レベルの高さですが、周りにも同じくらい高いビルが乱立しているので、体感では20階くらいでした。ここは4人でのフラットシェアでしたが、一人分の家賃としては私史上最高値。でも、金融街ど真ん中だし、共用のプールやジャグジーが最高だったので仕方ないのかな。。物価としての家賃は今まで住んだ街の中ではシンガポールが一番高いように思います。NYCも高いけど、場所を選べば私の住んでたエリアはさほど高くなかったし、東京は、言うてもマンハッタンやシンガポールに比べれば面積が大きいからね。部屋は狭いんだけど家賃は普通かなあ。香港とか、めちゃ高いって聞くけど、でも買ってしまえば、値段上がる訳で。香港もシンガポールもリセールすれば高く売れることはわかってるから、実はその国の人は借りるより買っちゃう文化なのよね。東京も土地が良ければ上がるからまあ同じっちゃ同じか。

あれ、次がもう10回目だ。次はシンガポール内でのお引越しでして、婚約者の彼の部屋に移りました。これが事実上の10回目だけど、特筆すべきことは無いです。居候的な感じ。それで帰国して一旦また実家に、これが11回目。

いよいよ最後!最後の12回目(←今ここ)が今月引っ越してきたこの地、横浜市になります。今回は広さもちょうどよく、環境も気に入っています。レトロなアパートメントの1階で小さな裏庭もあるので、庭の手入れを頑張って、家族と猫を飼うつもりで、ワクワクしています。何だろう、松井の背番号を経験した身としては、もはやこの1階の、地に足のついた感じが非常に落ち着くというパラドックス笑。あれから10年だものね。色々変化もするよね。今までの住経験を生かして好きなものを凝縮させたマイスウィートホーム!インテリアを自分好みに揃えつつ、彼の来日を待っております。ということで、ここらでようやく定住予定なのですが、まさかの一人暮らしからのスタートになりました。笑。

余談ですが、この地を選んだ理由のひとつは、行政が街を上げて「多文化共生宣言」しているところ。役所の情報提供もデフォルトで8言語あるし、無料の日本語クラスもある。外国人も日本人も住みやすい街づくりを進めている印象です。きっと生活支援なんかも充実してると期待してます。(私個人がその辺のお世話するのは大変だからできるだけ行政に任せたい。) あと、近所のスーパーで世界の食材が売ってるのでわざわざ輸入スーパー行かなくても良いっていうところ。新幹線へのアクセスと空港へのアクセスがどちらも良いので、名古屋への帰省もシンガポールへの帰省も便利なところも気に入りました。

 

都内からちょっと離れちゃったけど、そんなに遠くはない!はず。

遊びに来てね♪