Downtownへ繰り出そう

私が住んでいるのはCBD、いわゆるセントラルビジネスディストリクトといわれる金融街です。ニューヨークで言うところのフィナンシャルディストリクト(ワールドトレードセンターがあったりウォールストリートがあるところ)、東京で言うところの丸の内や浜松町といったところ。

え!そんなところに人って住んでるの!?って思う人もいるでしょう。

答えはノー。その通り普通はあまり住みません。そもそも居住用コンドミニアムもこの地区には数棟しか存在してません。

では私がなぜあえてこの地区を選んだか、そしてそれが正しい判断だったのかどうなのか、数週間住んでの感想を今日はお伝えしようと思います。(大学生のレポートのような文章構成だ。笑)

 

まず第一に、シンガポールはとても狭い!

前提として、都市と呼ばれるのはどこでも大体ひとつのダウンタウン(繁華街)があって、当然中心となる駅の周りが栄えているのが普通。

その都市が集まって県や州になり、国になる。そんなイメージですが、世界の都市の中でも東京とニューヨークはそれぞれ特殊だと私は思ってます。だって東京はダウンタウンが複数に散らばっているし、(歴史的にダウンタウンを定義するなら日本橋がそれか?)ニューヨークはマンハッタン全土が繁華街。Uptown, Midtown, Downtownと地理上分けてるけどニューヨークはミッドタウンだってダウンタウン。ニューヨークのDowntownは地区名としての固有名詞であり、繁華街という意味の一般名詞のdowntownとは異なる、と私は理解してます。

ってうっかりするとすぐニューヨークの話をしてしまうので、シンガポールに話を戻すと、シンガポールの国土は東京23区と同じくらいで、人口は600万人。(東京23区のおよそ3分の2)

東京23区には前述のように渋谷新宿銀座上野原宿などなどたくさんのダウンタウンがありますが、同じ広さのシンガポールには1都市1ダウンタウンの基本概念に基づいて河口付近のベイエリアダウンタウンとなっています。(これはとっても素直な都市形成のされ方だと私は思う。)数キロ離れてショッピングストリートのオーチャードがありますが、この界隈を含めて1ダウンタウン圏内でしょう。

つまり!シンガポールというのは都市形成の観点から見ると、国というよりはただの1都市と捉えた方がしっくりくるのです。

一つの都市が国になっている違和感!そりゃさすがに狭いよ。。。これが例えばニューヨークのように市内どこもが栄えていれば私にとっては問題ないのですが、23区=淡路島程度の国土で、その半分がほぼ未開の亜熱帯ジャングル。そして残りの土地もダウンタウン以外はいわゆる居住区。しかもダウンタウンを離れれば離れるほど郊外になっていくという。。郊外の居住区(といってもなんども言うけど面積的には23区内)はどんな風かというと、わかりやすく言うと私の心が荒んでしまうくらいの田舎。地下鉄が入っているエリアだと言うのに駅前にカフェの一つもないほどです。そして大概ローカル感漂う大きなショッピングモールが各地域にあります。そもそも私は車社会を彷彿させるショッピングモールというものがあまり好きではないしね。モール=ニュージャージーと言う刷り込みのせいかも。(でも今思えばあれはニューヨークの対岸だから、ジャージーの中でもとても栄えた一流のジャージーだったのだ!嗚呼、私の視野はなんて狭かったのでしょう。)

と色々文句ばかり並べましたが、要はシンガポールは一歩街を離れれば大いなる田舎だということです。シンガポールと言うより、もはや感覚的にはマレーシアと同じではないかなと思います。(事実、マレー系シンガポール人だけでなく、マレーシア国籍のマレーシア人もたくさん住んでいます。)でもこれって世界地図を見れば簡単に想像つくことなんだよな。地図を見ればマレーシアの属国みたいなもんですから。シンガポールの経済都市国家のイメージが先行して、大都市部分しかみんなフィーチャーしないもんだから、「ダウンタウン以外はマレーシアもしくは中国の田舎みたいなところだよ」って誰も教えてくれない!もっとみんな伝えていった方がいいと思うよ。って思って今使命感を持って伝えています笑。ということで。田舎ライフがどうしても性に合わない私としては、住むのはダウンタウン1択だったわけです。金融街が好きだから住んでると言う訳ではなくって、地方都市にありがちな、全ての機能を備えたその街の唯一のダウンタウンに住むことにした結果です。それが単なる地方都市ではなくイコール国レベルであるために、その唯一のダウンタウンが巨大だというわけ。土地がないからビルは上に上に伸びる伸びる。ほんとは、もうちょっと落ち着いたとこがよかったけど!そして、当然ここには金融系の世界各国の駐在員が集結します。できる限りのダイバーシティを求めていた私にとっては結果的に大正解な選択でした。ただし、肝心の職場が非ダウンタウンなので、なんだかんだ日中はマレーと中華のカルチャーにどっぷり浸っております。田舎は嫌いと言いつつも、この距離で都市と田舎のガラッと違う二つのカルチャーを体験できるのは不思議な二重生活を送っているようでもあり、実は結構面白かったりも、、するんです。

おしまい!